レポート・作文が苦手な発達障害 

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  • Опубликовано: 11 сен 2024
  • 01:52 発達障害とは
    06:12 合理的配慮
    08:26 中長期トレーニング
    09:46 本人の努力より先に「合理的配慮」を
    今日は「レポート・作文が苦手な発達障害」というテーマでお話しします。
    発達障害の人で、レポートや作文、自分の意見を言うこと、人前でプレゼンをするのが苦手な人は多くいらっしゃいます。
    それで悩んで学校に行けなくなってしまう、大学を中退してしまうという人もたくさんいます。
    そのような人たちに向けて、どうしたら良いのか、親御さんはどうしたら良いのかというのを今回お話しします。
    結論から言うと、まず「合理的配慮」を学校に求めましょうということです。
    合理的配慮とは、
    ・作文の提出期限を延ばしてもらう
    ・発表を免除してもらいレポートにする
    ・レポートに協力することを許可してもらう
    ・レポートを免除してもらい口頭試験や筆記試験に変えてもらう
    などいろいろあります。
    そのようなことを学校側に伝えて対応してもらうことが重要です。
    レポートや作文、自分の意見を言うということは人生において必要なことなので、苦手なままでは済まないというのも事実ではあります。
    ただ、パッとこれをやれば良いとか、10回カウンセリングをやれば終わるというものではありません。
    年単位のトレーニングが必要になりますので、中長期的なトレーニングをしていきましょうということになります。
    ■発達障害とは
    発達障害には3つの疾患があります。
    ・ASD(自閉スペクトラム症)
    ・ADHD(注意欠如・多動症)
    ・LD(学習障害)
    実際の臨床では、これらが混ざり合っています。
    ASDだけという人は珍しく、ASDとADHDが奇妙に、マーブル状に混ざり合っています。
    ASDがメインで、ADHDの症状は軽めとか、ADHDがメインでASDは軽めなどいろいろなパターンがありますが、どちらかだけではないということを覚えておいてください。
    そこに、学習障害様の症状や不器用さも混ざっていたりします。
    <ASDの症状>
    ・コミュニケーション能力
    コミュニケーション能力が弱いというのがASDの症状の1つにあります。
    空気を読むのが苦手といったことです。
    これを分解していくと、「言語能力が低い人が多い」という要素が含まれていることがわかります。
    言葉をたくさん覚えているのですが、言葉の広がり、例えや比喩が苦手だったり、例えや比喩で説明されてもわかりにくかったりします。
    「あれ取って」と言われても「あれ」が何かがわからず、具体的な言葉を使ってもらわないとわからないということがあります。文脈を読むのが苦手なのです。
    コミュニケーション能力が低いということは、言語能力が低いということとおよそ等しいと言えますので、レポートや作文を書くことが苦手です。
    創意工夫をしながら言葉を紡ぐことが苦手ということがあるのです。
    ・興味の偏り
    ASDの人は「興味の偏り」があると言われています。
    自分の好きなものは好きですが、興味のないことには全く関心がなく、知識が身につきません。
    つまり、そもそもレポートや作文を書く上での「素材」がないのです。
    自分の興味のあることならば作文もパパッと書けますが、あまり興味がないことだと書けません。
    自分の興味のあるところを繋げていって無理やり創意工夫でやるやり方もありますが、そのような応用力や臨機応変さはなかったりするのでやはり苦手です。
    <ADHDの症状>
    ・不注意、衝動性、多動
    ADHDの症状には不注意、衝動性、多動があります。
    これは何かと言うと「集中力が低い」ということです。
    文章を書いていくには、1つのことに集中して取り組まなければなりません。
    レポートや作文を書くのは集中力が必要なので疲れます。その集中力を保つことができないのです。
    他の人もそうじゃないかと言うかもしれませんが、彼らはもっと大変なのです。
    もっと、と言うより「全然」違います。
    その結果、「作文や発表がなければ学校に行けるのに」と言う子供たちはたくさんいます。
    ■合理的配慮
    ではどうしたら良いのかというと、まず「合理的配慮」がすごく重要です。
    障害があることをすぐになおしていくのは非常に難しいことです。
    薬物治療でぱっと解決できるものではありません。薬物治療で解決できるのは、ADHDの集中力、衝動性の部分だけです。
    コミュニケーション能力や興味の偏りに効く薬はないので、カウンセリング的な治療や環境調整が非常に大事です。
    「合理的配慮」というのは、本人の特性を踏まえて周囲の環境を調整してあげるということです。
    具体的にどうするのかというと、発達障害者支援センターや主治医に相談する、大学生ならば学生相談室に相談する、小中高の場合は教育委員会や学校に相談するのが良いと思います。
    学校に相談して、「作文や発表は苦手なので発表は控えてください」「授業でパッと当てるのではなく、いついつ当てるから準備しておいてねと伝えておいてください」など、その子の能力に合わせて、傷つかない、自信を失わない範囲で調整することが大事です。
    苦手なことをみんなの前でやらされるというのは、すごくプライドが傷つきます。
    その子に合わせて課題を調整するようにします。
    今は発達障害は一般的なので学校の先生も皆知っていますが、時々ですが発達障害の知識がない先生もいますので、その場合は、担任ではなく学年主任などもう少し上の先生にまで相談をしに行くということが大事です。
    ■中長期トレーニング
    周りの環境調整をした上で、本人にどのような努力が必要かということです。
    ・SST、デイケア、就労支援
    子供ならば放課後等デイサービスで、大人ならばデイケアや就労支援でSST(ソーシャルスキルトレーニング/生活技能訓練、社会生活技能訓練)を行います。
    ・カウンセリング
    心理士によるカウンセリングもありますが、カウンセリングも良し悪しです。
    発達障害の人たちをよくみている人、それなりのトレーニングをしている心理士でないと難しいかなと思います。そもそも言語的なやりとりが苦手な人たちなので、そこにカウンセリングをやるというのは苦しいわけです。
    ですから、プレイセラピーを混ぜるなどして言葉にしにくいものの足並みを揃えていく、焦らないカウンセラーが重要です。
    ■本人の努力より先に「合理的配慮」を
    僕自身、自分がどうしてこのように喋ったり文章を書いたりすることができるようになったのかを考えてみました。
    これを見ている人は、「益田先生は毎日喋っているし努力しているからじゃないの?」と言うかもしれません。毎日情報発信をしたり、患者さんとのやりとりをしているから喋れるのでしょうと言われるかもしれません。
    実際、そうだなと思います。
    毎日努力しているのでできるようになってきています。僕の昔のRUclipsなんかもうレベル低いです。毎日やっているから結構伸びてきています。
    でも結局、僕はそれを努力だと思っていません。こういうことがわりと好きなので。
    好きだから、努力していると思わないし伸びていく。
    世の中はおしゃべりが好きな人が多いです。多くの人は飲み会での会話や雑談が好きです。ですからどんどん伸びていきます。
    逆に発達障害の人たちは、1人が好きだったり、会話をすることを避けている人が多いのでこの差は開く一方です。だから苦しいのです。
    苦手なことをやらせるというのも、最低限はできますが、苦手なこと、やりたくないこと、興味のないことをするのは本当に苦しいものです。
    ですから、努力しろと言うのは酷なことではないかと僕は思っています。
    とは言っても、社会の中でやっていかなければいけないのも事実なので、合理的な配慮をしつつやっていくようにすることが重要だと思います。
    ですが、あまり追い詰めたりせず、その子の苦手さを想像するようにします。
    親御さんならば、自分の一番苦手なことを10倍にして相手の辛さを想像してみる、という意識が重要だと思います。
    苦手なことは皆やりたくないものです。
    ですからそれを無理矢理やらせるのではなく、やれる環境を作ることを第一にします。
    合理的配慮を求める前にまずは努力から、というのは間違いです。
    まずはこちらが大事です。
    今回は「レポート作文が苦手な発達障害」というテーマで、そのメカニズムと対策についてお話ししました。
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    『精神科医がこころの病気を解説するChとは?』
     一般の方向けに、わかりやすく、精神科診療に関するアレコレを幅広く解説しています。動画における、精神分析や哲学用語の使用法はあくまで益田独自のものであり、一般的(専門的)な定義とは異っているところもあります。僕がもっとも説明しやすいとたまたま感じる言葉を選んだだけなので、あまり学術的にとらないでいただけると嬉しいです。
                     早稲田メンタルクリニック院長 益田裕介
    『自己紹介』
    益田裕介
    防衛医大卒。陸上自衛隊、防衛医大病院、薫風会山田病院などを経て、2018年都内で開業。専門は仕事のうつ、大人の発達障害。といいつつ、「なんでも診る」ちょっと変人よりの町医者です。
    趣味は少年ジャンプとお笑い。キャンプやスキーに行きたいです。
    2020年6月5日より断酒継続中。
    【参考】
    厚労省みんなのメンタルヘルス www.mhlw.go.jp...
    カプラン 臨床精神医学テキスト第3版
    【コメントについて】
    ・コメントは承認制です
    ・コメントは益田が目を通していますが、手が回らず、質問にはお答えできません。ご理解よろしくお願いします。
    ・(のちのち)自分や他人を傷つける可能性のあるものは承認されません
    ・他の人への返信も原則禁止です。共感的なもの、相手に役立つものは一部、許可しています。短い時間で判断しているので「どうしてこれがダメなの?」みたいなものもあると思いますが、それはこちらのミスであることも多いです。ご了承ください。
    【動画制作の裏側はこちらから】
    / @wasedamasuda
    #ASD #ADHD #合理的配慮

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